Speech Conference

チョイワルオヤジと日本のサラリーマン
“Tyoi-waru-oyazi and Japanese salary men”

ボストン近郊スピーチ発表会
ウェルズリー大学
2009年4月11日(土)

フローラリム (Class of 2010)
Photo

今年の冬に金沢に行った時「チョイワルオヤジ」という概念について興味を持つようになりました。チョイワルオヤジは50代から60代ぐらいの男性で高いブランドのものを着て若い女性と自由に遊ぶカッコよくて少しはバッドボーイの雰囲気がある人達を表す言葉です。意外にも、この言葉を私に紹介してくれた人は36歳の私のホストファミリーのお父さんでした。私が読んでいた日本の若い男性のファッション雑誌を見て、彼は「こんな雑誌は俺には若すぎるんだよ。大人の男性ならこんなものを読むべきだ。」と言いながら自分が読んでいる雑誌を部屋から持ってきました。彼はまだ若いのに「レオン」というチョイワルオヤジ専用のファッション雑誌を何ヶ月も講読していました。最初にその雑誌を見た時は、「何でこんな雑誌があるの?冗談でしょう」と思いましたが 、この「レオン」という雑誌が彼だけじゃなくて30代後半から40代後半までの男性、特にサラリーマンを主な購読者にしているそうだという事を聞いてびっくりしました。その時、なぜチョイワルオヤジという概念が30代や40代のまだ若い男性に人気があるのかを考え始めました。

「レオン」の内容は若者の雑誌とは全く違います。まず、日本のサラリーマンのための雑誌なのに日本人のモデルは出ていません。40代後半のジロラモパンジェタというイタリア人がメインモデルで、イタリアのミラノのファッションを着て若くてきれいな女性達とほとんどのページに出ています。他のページにはイタリアのチョイワルオヤジが普通に歩いているところやコーヒーを飲んでいる写真が掲載されています。ですから、日本人の話ではなく、遠くの外国の話に見えます。でも、面白いのは、イタリア人のファッションを代表しているのに、このパンジェタさんは日本人の女性と結婚して長い間日本に住んでいる人だということです。だから「イタリアオヤジ」という意味の「イタオヤ」という言葉も流行させたことで知られているこの雑誌の目的は、本当のイタリアオヤジのファッションを表すのではなく、日本のサラリーマンが見たい情報だけを集めて見せることだということです。

このことから二つのことを考えました。日本の30代から40代のサラリーマンが「レオン」を読む理由の一つは自分を他のサラリーマンと別にしたいからだと思います。その雑誌が本当の「イタオヤ」を見せているかいないかは関係ありません。はっきりしたスーツを着て仕事に行かなければならない日本のサラリーマンとしてのつまらなさを、値段の面で普通のものとは違うけど目立ち過ぎる事はないブランド品を使って減少させて、普通の働いている男性と自分を分けるということです。私のホストファミリーのお父さんの場合にはフェラガモの靴、ブルガリの香水、オメガのうで時計、そしてイギリスの高い車などを持つように気を付けていました。

さらに、他の文化に接したい欲望をチョイワルオヤジというイメージに自分を近づけて満足したかったのではないかと思いました。毎朝一人だけコーヒー豆をひいて 一杯だけ飲んだリ、車の中では必ずマドンナやコールドプレイなどの歌をきくお父さんのように、多くのサラリーマンは他の文化とかなり道のりがある日本で新しいものへの渇望を外国のライフスタイル、歌、服などを身につける事を通じて満足しているのではないかと思いました。

これは私のホストファミリーのお父さん一人だけの趣味かも知れません。でも基本的に人間は自分が出来ないものへのあこがれがあると思うので実際になりたい大人の男性のイメージをチョイワルオヤジのスタイルを使って表現していると思います。